反転攻勢へリセット演出 岸田首相「新たな挑戦」強調―年頭会見

東京, 1月5日, /AJMEDIA/

 岸田文雄首相は4日の記者会見で、今年を「新たな挑戦をする1年にしたい」と打ち出した。従来の構造的な賃上げに加え、次の課題として異次元の少子化対策実現を表明。政権は昨年末まで閣僚の相次ぐ更迭などで負のイメージがつきまとったが、首相は年始に際して「リセット」を演出、反転攻勢に向けた姿勢を強調した。
 「今年は癸卯(みずのとう)だ。去年までのさまざまなことに区切りがつき、次の繁栄や成長につながっていくという意味がある」。首相は会見で今年の干支(えと)についてこう解説した。その上で「覚悟を持って先送りできない問題への挑戦を続ける」などと、「挑戦」という言葉を10回以上も繰り返した。
 賃上げは政権の看板政策「新しい資本主義」の根幹。首相は「この30年間、企業収益が伸びても賃金は伸びず、想定されたトリクルダウンは起きなかった」としつつ、「この問題に終止符を打ち、賃金が毎年伸びる構造を作る」と宣言した。国民生活を直撃している物価高騰を受けて「インフレ率を超える賃上げ」も訴えた。
 少子化を巡っては「放置できない待ったなしの課題だ」と強い危機感を表明。「こどもファーストの経済社会を作り上げる。異次元の少子化対策に挑戦し、若い世代からようやく政府が本気になったと思っていただける構造を実現する」と力説した。
 政権は昨年、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題や「政治とカネ」の問題が直撃し、内閣支持率は危険水域に低迷。首相は約2カ月間で4閣僚の更迭に追い込まれた。防衛費増額に伴う増税も国民の理解が広がったとは言いにくい状況にある。
 首相が新たな課題を打ち出したことについて、自民党の閣僚経験者は「イメージを変えたいんだろう」と語った。党関係者は「統一地方選で生活に身近なことを争点にする思惑だ」との見方を示した。
 一方、野党側は首相の「リセット」を許さない構えだ。立憲民主党幹部は「地元で防衛増税はかなり評判が悪い」と指摘。同党の泉健太代表は4日の記者会見で、今月召集の通常国会で防衛増税と旧統一教会問題を追及していく考えを示した。

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