反社会的な宗教規制、政権慎重 野党は法整備を主張―旧統一教会

東京, 9月15日, /AJMEDIA/

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐる問題に世論の批判が集まる中、フランスの「セクト規制法」を参考に、反社会的な宗教団体を規制する法整備を目指す動きが、野党内で活発化してきた。ただ、公明党は慎重な姿勢を崩さず、自民党もこれをおもんぱかってか議論に及び腰だ。
 公明党の山口那津男代表は14日、法整備の是非について「効果的かどうか慎重に考えるべきだ」と記者団に言明。「今回は宗教団体に限らず、社会的な問題を抱える団体が問われている」と述べ、消費者契約法などで対応すべきだと強調した。
 フランスでは、新興宗教の信者による集団自殺などが社会問題化したことを受け、2001年に規制法が制定された。カルト宗教を「参加者への心理的・身体的隷属を醸成、維持し、活用する法人」と規定。一定の条件を満たせば、入会勧誘制限や解散宣告を可能にしている。
 公明党の竹内譲政調会長は14日の記者会見で「実際の解散宣告は1件もない」と指摘。信教の自由などにも触れつつ、「今ある法律で十分対応できる」と慎重論を唱えた。同党の支持母体は宗教団体の創価学会で、党関係者は「法規制の議論など困る」と漏らす。
 自民党も消極的だ。連立を組む公明党に加え、自民党を支持する宗教団体への配慮が背景にあるとみられる。
 自民党幹部は14日、新たな法整備について「難しい」と語った。岸田文雄首相も先の国会審議で「今の法令の中で何ができるか最大限追求した上で、議論を進めるべき課題だ」と述べるにとどめている。
 これに対し、立憲民主党は「カルト被害防止・救済法案(仮称)」の国会提出を目指している。高額献金や霊感商法をめぐり、悪質な勧誘に刑事罰を科したり、契約を取り消したりできるようにする内容。13日の「次の内閣」で骨格を了承した。
 立民の安住淳国対委員長は14日、記者団に「高額献金や霊感商法は規制し、大きな網をかけなければいけない」と強調。野党各党に共闘を呼び掛けており、日本維新の会の藤田文武幹事長は記者会見で「宗教団体を取り巻く法整備に着手すべきだ」と足並みをそろえた。

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