友好国の資源調達で貢献 自由貿易推進に意欲―駐日カナダ大使

東京, 5月16日, /AJMEDIA/

カナダのイアン・マッケイ駐日大使は先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)を前にインタビューに応じた。経済安全保障が主要議題となる中、カナダはレアメタル(希少金属)増産などを通じ、友好国が重要物資を安定調達することに貢献できると強調した。自由貿易の推進に取り組む意欲も示した。主なやりとりは次の通り。
 ―ロシアのウクライナ侵攻は、エネルギー安定確保の課題を突き付けた。
 カナダは世界最大規模の液化天然ガス(LNG)開発事業を立ち上げ、来年末には日本を含むインド太平洋地域に輸出する計画だ。石炭への依存低減にも寄与できる。日本が2050年までの温室効果ガス排出の実質ゼロ達成に向け、カナダとインフラを整備し、電源構成で水素がエネルギー源として大きな割合を占めていくことを期待する。
 ―各国はハイテク製品に欠かせないレアメタルを中国に依存する。
 各国は中国など一部地域への依存度を下げ始めている。カナダは重要鉱物の供給を増やす戦略を打ち出し、投資の誘致やサプライチェーン(供給網)構築に積極的だ。電気自動車(EV)用電池に使う重要鉱物の信頼できる調達先として、日本やドイツの企業がカナダに注目している。独自動車大手フォルクスワーゲンは最近、カナダへの大型投資計画を発表した。
 ―米中対立が深まる中で、自由貿易の推進を掲げるカナダの役割は。
 カナダと日本はルールに基づく公正で自由な貿易の構築に深く関与してきた。世界貿易機関(WTO)の通商紛争処理体制が(上級委員会の委員が選出できず)機能不全に陥る中、両国はWTO改革に意欲的だ。全てのG7メンバーがWTOを正常な状態に戻す重要性を理解すべきだ。
 環太平洋連携協定(TPP)を含む自由貿易協定への取り組みも強化する。カナダの対日輸出はTPP発効以降4割増えた。農畜産品や海産物の輸出も拡大したい。

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