円一段安も 金利差拡大、長期化は疑問―東京市場

東京, 5月27日, /AJMEDIA/

円安が再び進行している。日米金利差の拡大を背景に円売り・ドル買いが強まり、市場では円一段安を予想する声が上がる。ただ、米景気減速懸念が広がる一方、日銀による大規模金融緩和策の修正観測がくすぶる。先行きの金利差縮小を想定し、円安長期化を疑問視する向きが多い。
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 円相場は昨年10月に1ドル=152円近辺まで下落した後、円安修正が進み、今年1月には127円台まで戻った。インフレ沈静化の兆しから米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ停止が意識されたことに加え、日銀総裁の交代に伴い緩和修正観測が高まり、金利差縮小を見込んで巻き戻しの動きが強まった。
 しかし、最近では米国でのインフレの根強さや景気の底堅さから、FRBの追加利上げ観測が浮上。日銀の植田和男総裁が大規模緩和策を堅持する姿勢を示し政策修正期待が後退した。円売り・ドル買いが再び勢いを増している。市場では日米金融政策の先行きを見極めながら、「7月ごろまでに142円程度まで円安が進む可能性がある」(外資系証券)との見方が出ている。
 ただ、今後の円相場については「決して一方向ではない」(大手邦銀)との指摘がある。米債務上限問題で、「米国のデフォルト(債務不履行)懸念が強まれば数円程度円高方向に進む可能性がある」(シンクタンク)という。米金融システム不安も拭い切れない。中長期的には日米金利差の縮小で円安修正が進むとの見方が強い。

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