公明、子育て支援で存在感狙う 統一選控え、財源論は及び腰

東京, 1月21日, /AJMEDIA/

 公明党は、岸田文雄首相が打ち出した「異次元の少子化対策」を好機と捉え、政権の子育て支援政策づくりをリードしようと躍起になっている。重視する4月の統一地方選に向け、有権者にアピールする狙いがあるからだ。ただ、同党は負担増につながる財源論には当面、踏み込まない考えだ。
 「子育て支援は待ったなしの状況だ。昨年の出生数が予想より8年前倒しで80万人を切り、危機的状況になっている」。高木陽介政調会長は20日の党会合で、政府が3月末に少子化対策のたたき台を示す前に、党の考えをまとめる方針を示した。
 ベースとなるのは、同党が昨年11月に策定した中長期的な出産・育児支援策パッケージ「子育て応援トータルプラン」だ。児童手当や医療費助成の拡充、保育料無償化の対象拡大などを盛り込んだ。総額6兆円余りの追加予算が必要と試算する。
 反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有を明記した安全保障関連3文書改定を巡る昨年の議論では、「平和の党」を標ぼうする同党だがあっさり了承した印象が強かった。存在感を発揮するためにも少子化対策では、「言葉よりも中身が大事だ」(幹部)と訴え、実効性のある政策を首相や自民党に求めていく方針だ。
 ただ、財源論には及び腰だ。自民党の甘利明前幹事長が今月5日のテレビ番組で少子化対策の財源として消費税率引き上げに言及した際、山口那津男代表は「財源の議論が先行するようなことは避けるべきだ」と反論した。
 背景には、統一地方選前に財源論議は避けたいとの思惑も透ける。23日召集の通常国会では、野党は少子化対策の財源確保策をただしていく構えだ。公明党幹部は「何が必要かはっきりしていないのに議論はできない」とけん制するが、党関係者の一人は「選挙前に増税なんて言えるわけがない」と本音を漏らした。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts