全国旅行支援、週内判断せず 感染悪化で延期求める声も―岸田首相

東京, 7月6日, /AJMEDIA/

 岸田文雄首相は今月前半からの実施を想定していた新たな観光需要喚起策「全国旅行支援」について、開始の可否の判断を参院選後に先送りする方向で調整に入った。複数の政府関係者が5日明らかにした。政府内では新型コロナウイルスの感染状況悪化を踏まえ、当面は実施を見合わせるべきだとの声も出ている。
 全国旅行支援は2020年に実施された「Go To トラベル」や21年に始まった「県民割」に代わる事業。割引とクーポンを合わせて1人1泊最大1万1000円を支援する内容で、首相が「6月中の感染状況を見極め、改善が確認できれば、7月前半より実施する」と6月中旬に表明していた。
 政府は当初、新たな喚起策について今月初めにも「ゴーサイン」を出し、実行に移す日程を描いていた。しかし、コロナの新規感染者数が6月下旬から上昇傾向に転じたことで、政府内に「もう少し感染状況を見極めるべきだ」との声が拡大。政府筋は「判断は参院選後だ」と語った。
 首相としては参院選前に方向性を出すのは選挙対策として得策ではないとの計算もあるとみられる。政府内では、来週、専門家から意見を聴いた上で、最終判断する案が出ている。
 事業を7月前半に開始するかどうかについて、松野博一官房長官は5日の記者会見で「新規感染者数、病床使用率、療養者数、死亡者数などの動向を含め総合的に見極めた上で、適切に判断したい」と述べた。首相官邸内では「最後は首相の判断だが、予定通りの開始は厳しい」(関係者)との声が出ている。

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