党規約改正、習氏権威強化へ 毛沢東と同列か―中国

東京, 9月18日, /AJMEDIA/

中国で10月16日に開幕する第20回共産党大会まで1カ月を切った。党大会では、最高規則である党規約を改正し、習近平総書記(国家主席)の権威を高める表現が明記されるもようだ。習氏の3期目入りに合わせて、建国の父、毛沢東に使われた「領袖(りょうしゅう)」という呼称を習氏に適用するなどして、習氏を毛と同列に位置付けるという観測が広がっている。
 党中央政治局は今月9日の会議で「重大な戦略思想を党規約に盛り込む」方針を確認した。習氏が2期目に入った2017年の前回党大会では、行動指針として「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想」が明記された。個人名を冠した指導理念が党規約に書き込まれたのは、毛沢東、トウ小平に続き3人目。今回の改正で「習近平思想」に短縮し、「毛沢東思想」に並ぶ形で格上げされるという見方が出ている。
 また、香港紙・星島日報は、21年秋に提起された「二つの確立」というスローガンが規約に書き込まれ、「習氏の地位をさらに高める可能性がある」という分析を伝えた。「二つの確立」は、別格の指導者である「核心」として習氏の地位を確固としたものにすることなどを指し、党が禁じる個人崇拝につながるという批判もある。
 同紙はまた、台湾について「祖国の完全統一を実現することは党の揺るがぬ歴史的任務」と定めると報じた。習氏は同じ言い回しを過去の演説でもしており、党規約に記されれば、習政権が台湾統一を目指す方針が一段と明確になる。
 中国では、厳格な「ゼロコロナ」政策に伴う行動制限への不満や経済低迷への懸念が根強い。しかし、国営メディアは連日、習氏を称賛し、最高指導者としての10年間の成果を強調。習氏が最近、2年8カ月ぶりの外遊に出たことから、政権は安定しており、3期目入りの準備が着々と進んでいるとみられている。

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