党大会へ国防教育強化 青少年らに「習近平強軍思想」―中国

東京, 9月4日, /AJMEDIA/

中国の習近平政権が、青少年らを対象に国防教育を強化する方針を打ち出した。台湾情勢が緊迫化する中、習近平国家主席(共産党総書記)の3期目入りが見込まれる党大会を10月に控え、国民の国防意識を高める狙いがありそうだ。
 国営新華社通信が1日、党中央、国務院、中央軍事委員会が「新時代の国防教育の強化・改善に関する意見」を公布したと報じた。具体的には、国防教育を大学などの試験内容に組み込むほか、現役・退役軍人が青少年を指導する制度の構築を検討する。
 地方の党・政府の幹部に対しては、国防に特化した研修会を1年に少なくとも1回開くよう指示。メディアや文芸作品、ネットを通じ、国防をテーマとした宣伝を強化することも盛り込んだ。
 新華社電は、「祖国統一の推進」や「(2027年の)軍創設100年の奮闘目標実現」に向けた国防教育の重要性を説明。「『習近平強軍思想』を教育の各分野、全過程に溶け込ませなければならない」と強調した。
 軍機関紙・解放軍報も「領土主権と海洋権益の争いは一層際立ち、(中国の)玄関先で混乱や紛争が発生する可能性が増している」と指摘。「国の富強と民族の復興には国防意識の増強が欠かせない」と訴えた。
 中国の教育課程では既に、習氏が掲げる「強国」路線や「世界一流の軍隊建設」などが授業に取り入れられ、個人崇拝を思わせる動きも加速している。習氏が党大会で3期目入りを果たせば、「台湾統一」を掲げて一層の思想統制が進むことになりそうだ。

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