中国警戒、日米で南西シフト 宇宙にも広がる同盟関係

東京, 1月13日, /AJMEDIA/

日米両政府は11日の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で、覇権主義的な動きを強める中国への警戒感を鮮明にした。これに対抗するため、敵のミサイル基地をたたく「反撃能力」(敵基地攻撃能力)の共同運用を確認。台湾有事も見据え、南西諸島の防衛を中心とする自衛隊と米軍の連携強化を打ち出した。
 2プラス2の共同発表文書は、中国の外交政策について「自らの利益のために国際秩序を作り変えることを目指している」と指摘。中国の弾道ミサイルが昨年8月、与那国島(沖縄県与那国町)の近海に着弾したことに触れ、「危険で挑発的な軍事活動」と強く非難した。
 その上で、南西諸島の防衛力強化に向け、自衛隊と米軍による施設の共同使用拡大、共同訓練の増加を盛り込んだ。特に、日米同盟の抑止力・対処力を高める取り組みとして、水陸両用作戦や空挺(くうてい)作戦などを例示。いずれも中国を念頭に、島しょ部が侵攻された場合の奪還を意識したものだ。
 米軍嘉手納弾薬庫地区(沖縄県読谷村など)の共同使用も、自衛隊の継戦能力を高める狙いがある。離島有事に即応する米軍の「海兵沿岸連隊(MLR)」創設は、この地域で中国の軍事活動を阻止する「切り札」と期待されている。
 中国の脅威は、陸海空の従来領域にとどまらない。宇宙・サイバーなどの新領域でも能力向上を図っている。日米両政府はこうした現状認識の下、米国の対日防衛義務の対象範囲を宇宙空間に拡大する方針を初めて確認した。
 浜田靖一防衛相は共同記者会見で「地域の安定を損なう行動に対する抑止力・対処力を大きく向上させるものだ」と成果を強調。防衛省幹部は「中国の脅威は今後、ますます大きくなる。今行動しないと手遅れになる」と訴える。
 13日には岸田文雄首相とバイデン米大統領がワシントンで会談。日米同盟の結束を確認する見通しで、日米両政府は今後、具体化に向けた協議を加速させる方針だ。

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