与党、選挙戦でもすきま風 岸田首相は公明応援に奔走【22参院選】

東京, 7月6日, /AJMEDIA/

 岸田文雄首相(自民党総裁)は5日、参院選の投開票を10日に控え、公明党候補の応援のため福岡市に入った。ただ、自公関係は「相互推薦」や政権運営をめぐってぎくしゃくし、選挙戦本番でも一部であつれきを抱える。報道各社の情勢調査では共に堅調だが、与党間の「すきま風」は容易に解消されそうにない。
 「日本の未来を切り開いていけるのは公明党と自民党、自公政権しかないと確信している」。首相は福岡市の街頭でこう強調。街宣車の上で並んだ公明現職への支持を訴えた。公明候補を推薦した5選挙区のうち、既に神奈川と埼玉でも応援しており、残る兵庫と愛知にも近く入る予定だ。
 相互推薦は過去2回の参院選を踏襲した。今回は動きの鈍い自民に公明が業を煮やし、一時は「見送り」を宣言。最終的に合意にこぎ着けたが、公明は支援者や団体の名簿提出を強硬に迫り、自民から「強引過ぎる」(閣僚経験者)と反発の声も上がる。先の通常国会で成立した2022年度補正予算も、消極的な自民を公明が押し切った。
 こうした関係は選挙戦にも影を落としている。公明は兵庫を「当落線上」とみて力を入れ、自民支持層にも手を伸ばすが、同じく候補を立てる同党には支持基盤の切り崩しと映る。「支援団体に正面から手を突っ込んできた。いい気はしない」。自民県連幹部はこう憤る。
 一方、岡山では自民現職が全国32の1人区で唯一、公明に推薦を要請しなかった。相互推薦見送りが取り沙汰された1月、この現職は「政党が違うのだから、それぞれ自由にやるのが自然だ」などとツイッターに投稿。公明の支持母体、創価学会の県組織トップが反発し、立憲民主党などが推薦した無所属新人を公然と支援している。
 横浜市内で3日にあった公明現職の街頭演説は象徴的だった。応援に立った自民の茂木敏充幹事長は「公明党は言ったことは絶対にやる。私は押されっぱなしだ」などと持ち上げた。だが、同党の山口那津男代表の到着は茂木氏の出発直後。両党幹部があえて街頭で共闘をアピールしようとしなかったところが微妙な距離をうかがわせた。

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