ロシア軍、攻勢に「遅れ」 ウクライナ、停戦交渉中止を警告

東京, 5月01日, /AJMEDIA/

ウクライナ東部攻略を目指すロシア軍は、30日も攻撃を続けたが、米国防総省高官は29日、ロシア軍の作戦に「遅れが生じている」と分析した。一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は29日、停戦交渉中止を警告した。泥沼化した戦況が長引く恐れが強まっている。
 現地からは、東部ドネツク州などでの新たな民間人の死亡が伝えられている。第2の都市ハリコフでは30日も朝から砲撃が続いた。ロイター通信によると、ロシア国防省は30日、前夜からウクライナの400近い標的に砲撃を行い、武器庫など4カ所にミサイル攻撃を加えたと発表した。
 ウクライナ大統領府のアレストビッチ顧問は、東部ドンバス地方掌握へロシア軍が攻撃を倍加させたと訴えた。この攻撃で「深刻な被害を受けている」と認めた。しかし、ウクライナ部隊の抵抗で「ロシアの被害はもっと大きい」と強調した。
 英国防省は30日公表の戦況分析で、ロシアは「北東部で進軍に失敗した」と指摘。「消耗した部隊の統合・再配置」を余儀なくされているとみている。こうした部隊の士気は低く、ロシア軍は「相当な課題」に直面していると推測した。
 東部情勢悪化に伴い、停戦交渉の行方を悲観する見方も強まってきた。インタファクス通信によると、ゼレンスキー氏は29日、ポーランドの記者団と会見し「(民間人殺害など)ロシアが残したものを考慮すれば、交渉が終わりになる危険性は高い」と訴えた。
 これに対し、ロシアのラブロフ外相は30日、交渉は「困難」だが、オンラインで毎日続いていると反論。ただ、欧米などの制裁解除を停戦の条件として挙げている。

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