ノーベル物理学賞 小林誠さんが都内で講演 論文発表50年で

東京, 2月18日, /AJMEDIA/

2008年にノーベル物理学賞を受賞した小林誠さんが都内で講演し、若い人たちに向けて「目の前で起きている変化に正面から取り組み、進むべき方向をみずからの判断で決めることが大切だ」と述べ、活躍への期待を込めたメッセージを送りました。

小林さんは28歳のとき、物質を形づくる素粒子の一種「クォーク」が6種類以上存在することを予想する「小林・益川理論」と呼ばれる論文を発表。その後、予想の正しさが確かめられ、益川敏英さんなどと共に、2008年にノーベル物理学賞を受賞しました。

講演会は、この論文が発表された1973年2月から半世紀を迎えることを記念して都内で開かれ、小林さんは論文を発表した当時について「1970年代初めは素粒子物理学の転換期で、変化の真っただ中で必死にもがいていた」と振り返りました。

そのうえで、若い人たちに向けて「変化の中にいると、その意味を客観的に捉えるのは難しいが、目の前で起きている変化に正面から取り組み、進むべき方向をみずからの判断で決めることが大切だ。どの方向に進むかは人それぞれだが、その多様性こそが、科学の発展の原動力だ」と述べ、活躍への期待を込めたメッセージを送りました。

講演会のあと小林さんは「研究の幅を広げるには違いを認めることが大切だ。若い人たちにはみずからの考えを信じて頑張ってほしい」と話していました。
講演聴いた大学生「やりたいことを突き詰めたい」
講演を聴いた物理を学ぶ大学3年の2人は「みずから率先して経験を積むことが大事だと思った。いろいろな経験を若いうちにしておきたい」や「28歳、しかも助手のときに、あのような成果を出してすごいと思った。私も多くを学び、自分で考えて、やりたいことを突き詰めたい」などと話していました。

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