トンガ噴火災害から1年 復興途上、再生エネ活路に

東京, 1月15日, /AJMEDIA/

南太平洋の島国トンガの海底火山「フンガトンガ・フンガハアパイ火山」が噴火してから、15日で1年。津波被害で村ごと移転を余儀なくされた地域もあり、住宅やインフラの復興は途上にある。噴火前から地球温暖化の危機にさらされてきたトンガは、復興の柱に再生可能エネルギー導入を据え、活路を見いだそうとしている。
 観測史上最大規模とされる昨年の噴火では、噴煙が成層圏よりも上に達し、高さ19メートルの津波が押し寄せた。死者は3人。全戸が破壊されたマンゴ島をはじめ、損壊家屋は計150軒に上る。四つの村が全体で他の場所へ移ることになった。トンガ政府は約500軒の住宅再建を支援し、一部は完成したが、現地報道によると、なお避難所やコンテナハウスで暮らす人もいるという。
 世界銀行は、噴火に伴う経済的損失を約4億2000万米ドル(約540億円)と試算。津波のほか、降灰被害で飲料水の確保が困難になったり、海底ケーブル損傷で通信が約1カ月途絶えたりして、人口10万6000人の8割の生活に影響が出た。サンゴの死滅も相次ぎ、観光や漁業に打撃を与えている。
 フアカバメイリク首相は「復興と持続可能な成長を両立させる」として、再生可能エネルギーへの転換促進を打ち出している。昨年12月には、最も人口が密集するトンガタプ島で南太平洋最大級の太陽光発電施設が完成。2025年末までに島の電力の7割を再生エネで賄う計画だ。
 トンガはかねて海面上昇やサイクロン頻発など地球温暖化リスクに脅かされてきた。昨年の国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)に出席した国王ツポウ6世は「歴史的にトンガは、災害からの回復力を示してきた。環境と調和した生き方を周知し、脱炭素技術を導入する必要がある」と訴えている。

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