トルコ南部の大地震 被害実態のデジタル地図を公開 東京大学

東京, 2月14日, /AJMEDIA/

トルコ南部で起きた大地震で、衛星画像の解析結果をもとに被害の実態を詳細に伝えるデジタル地図を東京大学の研究者が作成し、ウェブサイトで公開しています。震源に近いトルコ南部のヌルダギでは、地表に現れた活断層の一部とみられる地割れなども確認できます。

東京大学大学院の渡邉英徳教授は、今回の大地震のあと、アメリカの企業が配信している衛星画像を解析して、被害が確認できた場所を地図に記し、11日から画像とともにウェブサイトで公開しています。

これまでに100か所以上を掲載していて、このうち、トルコ南部のカフラマンマラシュでは、多くの高層マンションなどが潰れるようにして全壊していることが確認できます。

また、シリア国境沿いのハタイ県では、広い範囲で高層マンションが横倒しになったり、倒壊した建物のがれきが道路をふさいだりするなど、甚大な被害が出ていることが分かります。

さらに、震源に近いトルコ南部のヌルダギでは、地表に現れた活断層の一部とみられる地割れなどが確認でき、渡邉教授によりますと、全長は100キロ以上に及ぶとみられるということです。

渡邉教授「経験したことのないような大変な被害」
渡邉教授は「私たちが、経験したことのないような大変な被害だということがよく分かる。危機的状況にある現地の人たちのために、ぜひ自分たちのできることで支援につながるような行動をしてもらえればと思う」と話しています。
東北大 遠田晋次教授「断層の上に建物 周辺より被害受けたか」
活断層に詳しい東北大学の遠田晋次教授は、デジタル地図で見られる地割れのような地表のずれについて「明瞭に地震の断層が地表に現れている。道路を見ると断層を境に左に動くようにずれていて、これまで観測された断層の動きとも整合的だ」と指摘しました。

また「いくつかの写真では断層の上に建物があって、周辺より被害を受けているようにもみえる。こうした場所では、地震の揺れで壊れたことに加え、地面のずれで建物が引き裂かれたり傾いたりするような現象が起きたのではないか。今回の地震の規模から見ると、かなり長い区間でこうした地表の断層ができている可能性がある」と分析しています。

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