トランプ氏、影響力どこまで 中間選挙の候補者選び白熱―米共和党

東京, 5月05日, /AJMEDIA/

11月の米中間選挙までおよそ半年に迫り、与野党の候補者選びが本格化する。上下両院の多数派奪還を目指す野党共和党では、トランプ前大統領の支持を受ける候補が他候補と激しい予備選を展開。「子飼い」候補がいかに勝ち抜けるかが、今後のトランプ氏の影響力を占う試金石となる。
 3日、米メディアの注目を集めた中西部オハイオ州の上院選予備選で、「トランプ派」候補のJ・D・バンス氏が勝利を確実にした。映画化もされた著書「ヒルビリー・エレジー」で「ラストベルト(さび付いた工業地帯)」に暮らす白人労働者階級の苦しい暮らしぶりを活写した人物だ。
 同州では、共和党現職の引退で生じる空席をめぐり候補者選びが白熱。バンス氏は当初、乱立する候補に埋もれていたが、4月半ばにトランプ氏の支持を得るや否やトップに躍り出た。同月23日、トランプ氏は州都コロンバス郊外で行われたバンス氏の集会に駆け付け、「私は勝てる候補を選ぶ。彼は真の闘士だ」と持ち上げた。
 「バンスのことはよく知らない。でもトランプが支持すれば勝つわ」。演説を聞いた主婦ドーソンさん(64)は、予備選の行方はトランプ氏の意向次第だと話していた。一方、演説を遠目に眺めていた保険会社勤務のファウラーさん(51)は「トランプが支持するのは地元を知らない有名人ばかり。負ける候補も出てくるだろう」と語り、冷ややかな見方もある。
 実際、予備選で苦戦を強いられているトランプ派候補もいる。東部ペンシルベニア州上院選では、医師でテレビ番組司会者のオズ氏が各種世論調査の平均で2位に甘んじたまま。南部ジョージア州知事選も、現職のケンプ氏がトランプ派のパーデュー氏に支持率2桁差で優勢を保つ。
 いずれもオハイオと並び、民主、共和の支持が伯仲する「スイング・ステート(揺れる州)」だ。トランプ派は2020年の大統領選を「不正」扱いし、今も結果を認めない立場。予備選を勝ち抜いても、「バイデンは偽の大統領」(バンス氏)などとする過激な主張は、民主党と戦う本選で穏健な有権者を遠ざけるリスクをはらむ。

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