タリバン、批判封殺 政権奪取から半年―記者ら拘束、報道萎縮へ・アフガン

東京, 2月15日, /AJMEDIA/

アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンが政権を奪取してから15日で半年。旧親米民主政権関係者や女性、少数派への弾圧は続き、国民全体を代表する包括的な政権の樹立を求める欧米各国などの要求は実現しないままだ。さらにタリバンは最近、ジャーナリストや人権活動家を相次いで拘束し、政権批判封殺の動きを一層強めている。
 ◇消える活動家ら
 国連アフガン支援団(UNAMA)は13日、「『姿を消していた』女性活動家4人とその親族が解放された」とツイッターで明らかにした。この女性人権活動家らは1月中旬、首都カブールでデモを行った後、行方が分からなくなっていた。デモの先頭に立っていたため、タリバンに拘束されたとみられている。
 1月末には地元民放アリアナTVのジャーナリスト2人が連行された。2月に入ってからも、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と契約している外国人ジャーナリストが一時、タリバンに拘束されている。ジャーナリストが暴行を受ける事件も相次ぐ。
 タリバンは政権奪取直後、報道の自由の保障を打ち出した。しかし、年が明けてからのムジャヒド報道官は「イスラム的価値観、国家の利益を考慮すべきだ」といった発言を繰り返している。
 ◇「話をするな」
 タリバンとしては、思想の根底にある極端なイスラム法解釈に合致しない報道や政権批判を封殺したいのが本音とみられる。拘束や暴力といった手段で、自然と報道や抗議行動が萎縮していくことが狙いのようだ。
 貧困問題など現政権下での社会問題の発信も嫌っている。カブールで募金を行い、パンを無料配布する活動をしてきた男性は4日、取材に対し「タリバンにあまり話をしないように言われた」と語り、すっかり口が重くなった。
 国連は2日、報告書を公表し「人権活動家やメディア関係者は攻撃、脅迫、嫌がらせ、恣意(しい)的な拘束、虐待、殺害にさらされ続けてきた」とタリバンを非難した。報道やインターネット交流サイト(SNS)を通じ、アフガン内外でタリバンを批判し、状況改善につなげようという動きは、ここ半年で少しずつ弱められてきている。

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