セブン&アイ、社長続投が焦点 退任迫る物言う株主―25日に株主総会

東京, 5月21日, /AJMEDIA/

セブン&アイ・ホールディングスが25日、東京都内で定時株主総会を開く。主力のコンビニ事業セブン―イレブンの在り方を巡り経営陣と「物言う株主」が対立し、委任状争奪戦を展開。総会では井阪隆一社長続投の是非が問われる。結果次第では巨大流通グループの姿が一変する可能性もある。
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 「イトーヨーカ堂の業績が向上していない。井阪氏らを取締役会から外すべきだ」。米投資ファンドのバリューアクト・キャピタルの日本株投資責任者ロバート・ヘイル氏は今月上旬のオンライン説明会で、井阪氏らの続投に「ノー」を突き付けた。
 最大の争点はコンビニ事業の在り方だ。バリューアクトは、低迷するスーパーの再建に資金をつぎ込むより、コンビニのスピンオフ(独立)を実行して集中的に投資する方が成長につながると主張。井阪氏は、食品開発のノウハウを持つスーパーと切り離せば、コンビニの競争力をそぐと反論し、他の非中核事業については売却を進めてきたと訴える。
 総会で、会社側は現任13人、新任2人の計15人の取締役選任を求める。バリューアクトは井阪氏ら5人に反対し、別の新任4人を提案する。選任には過半数の賛成が必要だ。前回総会では井阪氏への賛成率は90%台半ばで、今回も選任を危ぶむ声は多くはない。
 ただ、海外の機関投資家に影響力を持つとされる米議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)とグラスルイスは今月、そろって井阪氏らへの反対を推奨。先行きに不透明感が出ている。
 株主の構成は、金融機関と外国法人がそれぞれ3割で、個人は1割。バリューアクトは約4%、創業家の資産管理会社は約8%の株式を保有しているもようだ。
 バリューアクトは、創業家の伊藤順朗専務を社長代理に就任させる案を提示し、揺さぶりを掛ける。セブン&アイ側は「機関投資家の理解は得られている」(幹部)と、井阪氏再任に自信を示している。

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