シリア北西部、子供苦境 身元の証明なく親族再会困難―トルコ地震

東京, 2月17日, /AJMEDIA/

トルコ大地震で甚大な被害が出たシリア北西部で、子供が特に厳しい環境に置かれている。支援団体は、身寄りのない子供で「あふれている」と訴えた。身元を証明するものを持たない子供が多く、親族らを探し出すのは難しい。支援団体の危機感は強い。
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 国連児童基金(ユニセフ)によれば、シリア国内で被災した子供は250万人を上回る。懸命な捜索活動で子供の救出が相次ぎ、シリアも沸いたが、国際NGO「ワールド・ビジョン」が15日に発表した声明の中で、シリア北西部担当者は「日ごとに身寄りのない子供が増えている」と述べ、急務である子供たちへの支援に関心を向けるよう世界に呼び掛けた。
 たった一人で保護された子供たちは、地震で家族を失ったり、はぐれたりしたと考えられる。ワールド・ビジョンによれば、中には新生児もいる。ほとんどの場合、家族の思い出だけで身元を特定できる書類がない。
 ワールド・ビジョンが北西部で実施した調査では、対象者の94%は自宅など住まいが被災しており、82%が避難所で生活している。42%が近くの教育施設に被害が出たと回答した。子供の居場所が奪われ、虐待や搾取の対象になる危険が高まっていると警鐘を鳴らしている。
 内戦下のシリアでは、地震以前から弱い立場の子供は厳しい生活を強いられてきた。ユニセフの広報担当者は、AFP通信に対し、内戦で苦しんできたシリアの子供について「紛争、暴力、立ち退きしか知らない。トラウマ(心の傷)にトラウマが重ねられた」と今回の地震の深刻な影響を訴えている。

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