サミットで「核」論議、日欧合意 対中ロ、連携強化へ―岸田首相、外遊前半終える

東京, 1月13日, /AJMEDIA/

欧米5カ国歴訪中の岸田文雄首相は、11日の日英首脳会談で欧州での日程を終えた。フランス、イタリアを含む3首脳との個別会談では、5月に地元広島で開催する先進7カ国首脳会議(G7サミット)で核廃絶について議論してメッセージを発信することで合意。中国とロシアを念頭に、安全保障面の連携を強化することでも一致した。
 9日に日本をたった首相は仏伊英の順に訪れ、マクロン大統領、メローニ首相、スナク首相と会談。ロンドンで11日(日本時間12日未明)、記者団に「信頼関係を深められた。サミット成功へ協力していく上で手応えを感じた」と強調した。
 歴訪の目的は大きく2点。一つは議長を務めるサミットへの地ならし。もう一つは、東アジアで軍事的威圧を強める中国と、ウクライナ侵攻中のロシアに対抗するため、安保分野でのG7の結束を誇示することだ。
 サミットを巡り、岸田首相は核兵器国の英仏を含む3首脳に「核軍縮に向けた国際的な機運を再び盛り上げる機会にしたい」と提案。サミットで議論することに「理解と支持」を得た。
 首相は「核兵器のない世界」をライフワークとする。ロシアがウクライナでの核使用をちらつかせたことで、核の問題は国際的に注目を集めるテーマとなった。サミットは、相次ぐ閣僚更迭などで苦境にある首相にとり、数少ない政権浮揚のチャンス。その後に取り沙汰される衆院解散・総選挙を見据え、核廃絶の論議を主導して「得点」にしたい思惑が透ける。
 一方、安保協力では仏伊と外務・防衛当局間の協議推進について合意。自衛隊と英軍による相互訪問の際の法的地位などを定めた円滑化協定(RAA)に署名した。
 国連安全保障理事会は機能不全が顕著で、20カ国・地域(G20)はロシア対応を巡り足並みが乱れた。首相はG7を「数少ない機能している枠組み」と位置付ける。台湾の武力統一も辞さない姿勢を示す中国に対し、日米同盟に加えてG7をもう一つの軸に据える方針を鮮明にした格好だ。
 首相は12日にカナダ・オタワでトルドー首相と会談。米ワシントンを初訪問し、13日にバイデン大統領と同盟強化を確認する。帰国は15日。

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