コロナ発生届、記入項目を簡素化 医師・保健所の負担軽減―厚労省

東京, 6月10日, /AJMEDIA/

 厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染者が確認された際、診断した医師が提出する「発生届」について、記入項目を大幅に簡素化する方針を決めた。感染者データを管理する国の情報システム「ハーシス」の入力項目も同様に削減する。医療機関や保健所の事務負担を軽減することが目的で、今月末に関係省令を改正する。
 具体的には、詳しい症状や初診日、感染経路、接触状況などの項目を発生届から削除。ワクチン接種歴や重症度などに絞って報告を求めることとし、患者への聞き取りや入力作業に要する時間を減らす。
 感染症法では、コロナ感染者を診断した医師に対し、保健所への発生届提出を義務付けている。厚労省は業務効率化の一環として、2020年5月にハーシスの運用を開始。しかし、感染拡大時には医療機関の入力作業が追い付かず、保健所による代行入力が常態化するケースもあり、保健所の大きな負担になっていた。
 今回の見直しは、感染者数が多く、感染経路の特定が困難なオミクロン株の特徴を踏まえた措置。同省は「新たに変異株が確認された場合などは改めて対応を検討する」(担当者)としている。
 これに対し、一部の自治体からは「健康観察に支障が生じる可能性がある」といった懸念の声も上がっている。このため、同省は各自治体の判断で独自に項目を残したり、追加したりすることも認める方向だ。

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