オミクロン、せき・倦怠感増 新型コロナ、都が後遺症分析―専門医「長期化の傾向」

東京, 6月5日, /AJMEDIA/

 新型コロナウイルスのオミクロン株感染による後遺症の実態が、少しずつ分かってきた。デルタ株以前より、せきや倦怠(けんたい)感を訴える割合が多いが、味覚・嗅覚障害は少ないとされる。専門医は「後遺症は長期化傾向がある。感染時は軽症でも油断は禁物だ」と呼び掛ける。
 東京都は5月下旬、都立・公社病院が受け付けた電話相談の分析結果を公表した。オミクロン株流行期の1~4月に陽性が判明した2039人の症状(複数回答)では、せきが最多の38.6%、倦怠感が34.0%だった。デルタ株以前(昨年3~10月に電話相談)の3857人ではそれぞれ22.2%、26.0%で、大きく増加した形だ。
 一方、味覚障害は10.6%でデルタ株以前の半分未満となり、嗅覚障害は約3分の1の9.5%だった。脱毛も0.8%に激減した。発熱・微熱などは同水準で、相談者の年齢構成や持病の有無も大差はなかった。都は「相談者の97%が感染時に軽症以下だが、後遺症の相談が寄せられている」として、感染予防策の徹底を呼び掛ける。
 新型コロナ後遺症は、長期化傾向も問題になっている。慶応大などは2日、入院患者の33.0%が診断から1年後も何らかの症状を訴えていたとの調査結果を公表した。症状(複数回答)は最多が倦怠感(12.8%)で、呼吸困難(8.6%)、思考力低下・筋力低下(各7.5%)などが続いた。調査は2020年1月~21年2月の1066人が対象でオミクロン株感染者は含まれないが、同株でも長期化傾向が指摘されている。
 後遺症疑いの患者を4000人以上診察したヒラハタクリニック(東京都渋谷区)の平畑光一院長は「後遺症の長期化傾向はオミクロン株でも同じで、症状の重さもデルタ株と変わらない。寝たきりになったり、ぜんそくのような症状が出たりすることもある」と指摘。「感染時は軽症だから後遺症も大したことはないと油断してはいけない。特に感染後の2カ月間は無理をしないで」と訴えている。

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