ウクライナ反攻の予兆か 戦勝記念日前、ロシアで爆発相次ぐ―バフムト情勢は流動的

東京, 5月3日, /AJMEDIA/

ウクライナではロシアの侵攻が続く中、ゼレンスキー政権側が予告した大規模な反転攻勢がいつ始まるかが焦点となっている。けん制目的とみられるロシア軍の空爆が激しさを増す一方、ロシア側で爆発が相次ぎ、反転攻勢の予兆という見方もある。

ロシアが支配するウクライナ南部クリミア半島では4月29日、ドローンによるとされる攻撃で燃料タンクが炎上。5月1日には国境近くのロシア側で、貨物列車が爆発に見舞われ脱線した。

 緊張の高まりを受け、5月9日の対ドイツ戦勝記念行事は地方で次々と中止が決まった。プーチン大統領の「弱さ」と受け止められれば、大統領選前の求心力低下につながりかねない。
 ロシア側による全域制圧が間近といわれた東部ドネツク州の激戦地バフムトの情勢も流動的だ。ウクライナのシルスキー陸軍司令官は4月30日に前線を視察。「敵は市内の一部で反撃を受け、複数の陣地から撤退した」と主張した。
 シルスキー氏は「(ロシアは)大損害にもかかわらず(民間軍事会社)ワグネルの突撃部隊、他の民間軍事会社、空挺(くうてい)部隊を投入し続けているが、市全域を制圧できていない」と戦況を分析した。事実なら、新たな民間軍事会社に依存せざるを得ないほど、ワグネルが弱体化した可能性がある。
 ワグネル創設者プリゴジン氏は最近、対立するロシア国防省に不満を表明。「不足する弾薬が補充されなければ(バフムトから)部隊を撤退させざるを得ない」と述べた。ウクライナ軍の反転攻勢が5月15日までに始まると予想した。
 一方、ゼレンスキー大統領は北欧メディアの取材に対し、反転攻勢の時期は明らかにしなかったが、準備していると確認。成否は西側諸国の武器供与次第という考えを示した。「われわれがクリミア半島に迫れば、ロシア人は逃げ惑うだろう」と語り、軍事力による奪還を示唆した。

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