ウィズコロナ下、初の春節 中国、既に11億人以上感染か―習氏「高齢者対策が最重要」

東京, 1月23日, /AJMEDIA/

中国は22日、春節(旧正月)を迎えた。新型コロナウイルス感染拡大を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策から、ウイルスとの共存を容認する「ウィズコロナ」に急転換した後、初めての春節。人口14億人のうち既に11億人以上が感染したとされ、安心感も広がる中での「年越し」となったが、農村部の高齢者が感染リスクにさらされている。
 中国疾病予防コントロールセンター(CDC)の呉尊友・首席疫学専門家は「大みそか」に当たる21日、短文投稿サイトで「既に全国で約80%の人が感染した」と指摘した。11億2000万人が感染した計算になる。呉氏は春節前後の移動で感染が広がる恐れがあるとしながらも、国民の大半が感染済みであることを踏まえ「今後2~3カ月は、比較的大規模な感染再拡大の可能性は低い」との分析を示した。
 中国の人々にとって春節は、最も重要な年中行事。帰省するなどして、両親や祖父母と会食を楽しんだり、年長者が「紅包」と呼ばれるお年玉を配ったりする。感染拡大につながるとして、昨年までは厳しい移動制限があったが、今年の春節は各地で伝統行事も復活し、にぎわいを見せた。
 北京市の40代女性は「昨夜は家族でギョーザを作り、楽しく過ごした。昨年までは心配だったけれど、既に感染のピークが過ぎ、安心して市内に住む高齢の父母の家にも行ける」と笑顔を見せた。北部の黒竜江省に帰省する50代男性は「実家も全員が感染済みだから心配はない」と話した。
 一方、中国政府は、医療体制の脆弱(ぜいじゃく)な農村部で高齢者の感染が相次ぐ事態を警戒している。死者数が急増すれば社会の不安定化を招く。発表によると、13~19日の医療機関での死者数は1万2658人だった。21~27日の春節連休を挟んだ40日間に延べ約21億人が国内を移動する見通し。習近平国家主席は春節を控えた18日、オンラインで各地をつなぎ、「目下の防疫措置で最重要なのが高齢者(の感染予防)だ」とトップ自ら現場に指示を出した。

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