アルメニア、解放地でアゼルバイジャンの主権容認へ 平和条約に意欲

東京, 5月23日, /AJMEDIA/

タス通信などによると、旧ソ連アルメニアのパシニャン首相は22日、解放地カラバフについて、現住しているアルメニア系住民の安全が確保されるのならば、敵対してきたアゼルバイジャンの主権を認める考えを表明した。アゼルバイジャンとの平和条約締結への意欲も示している。

 パシニャン氏は25日、アゼルバイジャンのアリエフ大統領とモスクワで会談を予定しており、関連する問題を協議する。アルメニアとアゼルバイジャンは、6月1日にもモルドバの首都キシナウで話し合う予定。帰属問題を解決し、平和条約を結べば、地域の緊張緩和に寄与するのは確実だ。

 アルメニアとアゼルバイジャンは、共にソ連の共和国だった時代からカラバフの帰属を巡って衝突を繰り返してきた。近年はアゼルバイジャンが優位な状況を築いていることから、パシニャン氏は同地に住むアルメニア系住民の安全を第一にして、譲歩を検討している模様だ。

 ソ連時代のカラバフはアルメニア系住民が多数派を占めたが、アゼルバイジャン共和国の管轄下に置かれた。1980年代末期になると、同地のアルメニア系住民がアルメニア共和国への編入を要求。アルメニアとアゼルバイジャンの衝突に発展し、推定で1万8000人超の死者を出した末に、アルメニアがカラバフで実効支配を確立した。

 一方で2020年秋に再発した衝突では、アゼルバイジャンが有利に戦闘を進め、カラバフの一部地域の支配権を回復した。この時はロシアが仲介役となり、現地に平和維持部隊を派遣するなどして事態を収拾させた。しかし、現在はウクライナで続ける「特別軍事作戦」に注力していることもあり、カラバフ紛争で重しの役割を担いにくくなっていた。

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