アフガン、テロの脅威根絶できず アルカイダと関係維持か―政権奪取から1年・タリバン

東京, 8月14日, /AJMEDIA/

アフガニスタンでイスラム主義組織タリバンが国家運営の実権を握ってから15日で1年となる。タリバン暫定政権は、過激派組織「イスラム国」(IS)系武装勢力によるテロの脅威を根絶できずにいる。そればかりか、決別を誓ったテロ組織と関係を維持していた疑いすら浮上してきた。
 路上に広がった血痕、ぐったりした子供を抱えて走り去る女性。首都カブール西部にある少数派のイスラム教シーア派系ハザラ人居住地で5、6両日、爆発が相次いだ。ツイッターに投稿された現場からの映像で騒然とした様子が一目瞭然になった。ロイター通信によると、少なくとも16人が死亡し、いずれもシーア派を敵視するスンニ派のIS系勢力「イスラム国ホラサン州」(IS―K)が犯行を主張した。
 アフガン国内では、タリバンと旧政府軍との戦闘がほぼ終結し治安は改善している。しかし、IS系勢力が少数派や敵対するタリバンを狙ったテロを繰り返している。昨年8月の駐留米軍撤収時にカブール空港で米兵を含む180人超が犠牲になった爆弾テロもIS―Kによるものだ。
 国連アフガン支援団(UNAMA)の7月20日の報告書によれば、昨年8月以降の10カ月間でIS系勢力の攻撃により民間人700人が殺害され、1406人が負傷した。
 アフガンから撤収した米国はIS系勢力や国際テロ組織アルカイダが復活し、米国を攻撃できる能力を持つことを警戒。タリバンは政権奪取前の2020年2月に米国と結んだ和平合意で、アルカイダとの関係を断絶し、国土をテロ活動の拠点にしないと約束している。
 米当局は7月末、カブールに潜伏していたアルカイダの最高指導者ザワヒリ容疑者をドローン攻撃で殺害した。タリバン側は同容疑者のカブール滞在などの情報は「何も持っていない」と説明したが、タリバン内の最強硬派ハッカニ派が同容疑者と緊密に連絡を取っていたとの情報もある。同派を束ねるハッカニ内相代行は、警察権力を握る一方、IS系勢力との関係も指摘されている。
 ロイターによれば、ブリンケン米国務長官は1日、タリバンがザワヒリ容疑者をかくまっていたとして、和平合意に「著しく違反した」と述べた。

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