なぜ大阪メトロは「QR」「顔認証」「クレカのタッチ」改札を導入するのか–交通系ICにはない利点

東京, 2月17日, /AJMEDIA/

 Osaka Metro(大阪メトロ)は2月13日、2024年度からQRコード、Visaのタッチ決済、顔認証に対応した改札機を順次導入し、実証実験を開始すると発表した。

 2025年に開催される大阪・関西万博への対応が狙いで、すでにQRコードとクレジットカードのタッチ決済による乗車システムを同都市圏で導入している南海電鉄ならびに泉北高速鉄道に続く形になる。

そもそもどういった改札なのか
 まずQRコードとクレジットカードのタッチ決済による乗車だが、これは先行する南海電鉄と同じ形式になる。発表では三井住友カードの「stera transit」の利用がうたっており、これにQUADRACの「Q-move」というシステムを組み合わせる形で利用する。

 クレジットカードの“タッチ決済”での公共交通利用は「オープンループ」乗車などと呼ばれている。QUADRACの仕組みでは、1回の乗車ごとに利用したクレジットカードまたはデビットカード単位で運賃が加算されていく。そして1日ごとに集計が行われ、その金額がまとめてカード利用者に請求される。

 大阪メトロのケースはまだ分からないが、英国ロンドンで導入されているオープンループでは、1日に一定金額以上の乗車を行うと以後は運賃を加算しない「料金キャップ(Fare Capping)」という仕組みを採用している。普段のクレジットカードでそのまま公共交通を利用できるだけでなく、後払いの仕組みを利用して柔軟な運賃割引サービスが適用される大きなメリットが利用者側にある。

 一方のQRコード乗車だが、当面は「1日乗車券」「(企画券付き)周遊券」といった利用がメインになると思われる。基本的には、大阪メトロなどの事業者が提供するアプリで企画券を購入し、アプリに表示されるQRコードを読み取り機にかざして改札を通過する。仕組みはQRとオープンループの両方に対応する「stera transit」と「Q-move」のシステムをそのまま採用しており、用途に応じて使い分ける形となる。

 これは先行する南海電鉄のケースも同じであり、改札機にはクレジットカードのタッチ決済用の非接触リーダーとQRコード読み取り装置の両方が取り付けられることになる。

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