ついに花開いた26歳 無欲の新添、結果で自信―世界柔道

東京, 5月12日, /AJMEDIA/

優勝が決まった瞬間、スタンドでガッツポーズをして喜んだ女子の増地監督とは対照的に、新添は硬い表情を崩さなかった。畳を降りて上野コーチに握手されると「実感が湧いた。ちょっと思っていたよりもうれしくて」。あふれる涙をぬぐった。
 準々決勝でフランスのゲイエとの8分を超える死闘を制すると、準決勝はクロアチアのマティッチの変則的な組み手を封じ、3連覇を狙った強敵を撃破。疲労はたまっていたが、決勝は得意の内股から抑え込んで試合を決めた。
 増地監督は2017年ごろから、新添が持つ抜群の投げる力に期待。東京五輪を狙わせたが「(本人に)欲がなかった。遠慮気味な部分があった」。なかなか花開かなかった。それでも昨年の世界選手権以降、国際大会の成績は安定。新添は「そのへんの(気持ちの)面はあまり成長できていない」と苦笑しながらも「結果が出て、やっと自信が付いてきた」と認める。
 パリ五輪代表へ大きく前進しても26歳は「まだ全然、油断できる状況じゃないので。手堅く勝てるようになりたい」と小さな声。新女王はやっぱり無欲だった。(ドーハ時事)

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