ことしのノーベル賞 あすから発表 去年の真鍋淑郎さんに続くか

東京, 10月2日, /AJMEDIA/

ことしのノーベル賞受賞者の発表が3日から始まります。日本人の受賞はアメリカ国籍を取得した人を含めこれまで28人で、去年ノーベル物理学賞に輝いた真鍋淑郎さんに続く2年連続の受賞となるか、注目されます。

生理学・医学賞で注目される研究者
このうち生理学・医学賞は、これまで5人の日本人が受賞しています。

注目されているのは、日本に有力な研究者が多い免疫学の分野で、▽過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」を発見した大阪大学特任教授の坂口志文さんや▽免疫の働きを強める「インターロイキン6」というたんぱく質を発見した大阪大学特任教授の岸本忠三さんがこれまでに国際的な賞を数多く受賞するなどしています。

また、このほかの分野では、▽細胞どうしを結び付けて臓器などを形づくる分子、「カドヘリン」を発見した理化学研究所名誉研究員の竹市雅俊さんや▽「小胞体」と呼ばれる細胞の器官が不良品のたんぱく質を修復したり分解したりする仕組みを解明した京都大学教授の森和俊さんもカナダの「ガードナー国際賞」などを受賞していて注目されています。

去年は物理学賞に真鍋淑郎さん
物理学賞は、アメリカ国籍を取得した人を含めこれまで日本から12人が受賞しています。

去年は、愛媛県出身でアメリカ国籍を取得している真鍋淑郎さんが受賞。気候をシミュレーションするモデルの基礎を開発し、地球温暖化の研究を切り開いた功績が評価されました。

また、研究の分野として「気象学」が物理学賞の対象となったのは初めてで、関係者には驚きも広がりました。

化学賞で注目される研究者
化学賞はこれまで日本から8人が受賞しています。

「ノーベル賞級」とされる成果を挙げている日本の研究者は、ほかにも多くいることから毎年、化学賞受賞への期待が寄せられています。

このうち、▽東京大学卓越教授の藤田誠さんは分子どうしがひとりでに結び付く「自己組織化」と呼ばれる現象の研究で国内外で高く評価されています。

▽京都大学特別教授の北川進さんは「多孔性金属錯体」という特定の気体を貯蔵できる材料の合成で世界的に注目されています。

また、▽中部大学特任教授の澤本光男さんは数多くの分子を思いどおりの構造や機能を持つようにつなぎ合わせる「精密ラジカル重合」と呼ばれる手法を確立し、幅広い分野の新素材開発に影響を与えています。

文学賞 注目は村上春樹さんや多和田葉子さん
文学賞ではこれまで2人の日本人が受賞。

例年注目されるのは、作品が50以上の言語に翻訳され世界中で読まれている村上春樹さんです。これまでに、チェコの「フランツ・カフカ賞」やデンマークの「アンデルセン文学賞」など、海外の賞を複数受賞していて、毎年、イギリスの「ブックメーカー」が行っている受賞者を予想する賭けでは“有力候補”の1人となっています。

また、長年ドイツで暮らし日本語とドイツ語で小説を執筆している多和田葉子さんも、2018年に、アメリカの「全米図書賞」の翻訳文学部門に選ばれるなど注目されています。

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