「1年が7.7時間」の惑星みつかる。恒星に近すぎ、表面は溶岩状態か

東京, 12月04日, /AJMEDIA/

ドイツ航空宇宙センター(DLR)などからなる国際的な研究チームが、太陽系から31光年のほど近い場所に新しく発見された太陽系外惑星GJ 367bを分析し、その惑星が純粋な鉄とおなじ密度で、たったの7.7時間で公転するほど恒星(赤色矮星)に近い灼熱の星であることがわかったと発表しました。

研究者らは生命が存在できそうな惑星を探し求めていますが、今回発見されたGJ 367bは恒星に面する側がすべて溶岩状態になっていると思われるほどの灼熱地獄であるため、まず間違いなく生命は存在しません。

8時間弱という公転周期を持つGJ 367bは、公転周期が24時間以内の「超短周期惑星(ultra-short period:USP)」と呼ばれます。研究チームはトランジット系外惑星探索衛星(TESS)を用いてこの惑星を発見し、地上から視線速度法を用いてこの惑星の恒星のスペクトルを調べました。また、ヨーロッパ南天天文台の3.6m望遠鏡に搭載されている高精度視線速度系外惑星探査装置(HARPS)を使って質量を測定しました。その結果この惑星の半径は地球の72%、質量は地球の55%となり。発見されている約5000の太陽系外惑星の中で最も軽い部類に入ることがわかったとしています。

研究者たちは、GJ367bの86%が鉄で構成されていると計算し、その内部構造は太陽に最も近い惑星である水星に似ているとしています。研究チームは、この惑星が、かつてはもっと大きな惑星だったものの、何らかの衝突や恒星からの強力な放射によって星を包むマントルの大部分を失い、鉄のコア部分が残ったのではないかと考えています。

GJ 367bは、ここまで詳細に調べることができた最小の系外惑星であり、より多くの居住可能な太陽系外惑星の探索、惑星形成の理解、さらには居住可能性のを探る基準値作成に役立つと考えられます。そしてこのような知見の蓄積は、いつか天文学者が比較的生命が存在できそうな恒星系を見分けるのに役立つようになるかもしれません。

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