「飽和潜水」で船内捜索へ 水深120メートルで調査―民間業者と契約・観光船事故

東京, 5月03日, /AJMEDIA/

 北海道・知床半島沖で起きた観光船「KAZU I(カズワン)」の沈没事故で、海上保安庁は2日、水深約120メートルの海底付近に沈んだ船体の内部を捜索するため、「飽和潜水」と呼ばれる特殊な潜水技術を持つ民間業者と契約を結んだと発表した。船内に取り残されている可能性がある行方不明者を捜索するとともに、船体の引き揚げに向けた準備を進める。
 第1管区海上保安本部(小樽市)などは同日も行方不明者12人の捜索を継続。現場周辺の海域は波が高く、水中カメラでの捜索活動を見送るなど難航した。
 海保によると、カズワンは船底を下にした状態で見つかった。船首を南に向けて右側に30度傾いているとみられる。
 海保の潜水士が潜れる深さは60メートル程度が限界とされる。特殊な設備で水圧に身体を適応させる「飽和潜水」という技術を使うことで、より深い所まで潜ることができる。リアルタイムで水中の映像を送れる機器も投入するという。
 契約額は約8億7700万円で、船体の引き揚げ費用は含まれていない。月内には潜水調査に着手する予定といい、引き揚げに向けた情報収集も行う。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts