「親世代存命中に解決を」 拉致家族会の横田拓也代表―17日に日朝首脳会談20年

東京, 9月16日, /AJMEDIA/

 北朝鮮が日本人の拉致を認めた2002年の日朝首脳会談から17日で20年を迎える。拉致被害者の横田めぐみさん=拉致当時(13)=の弟で、被害者家族らでつくる「家族会」代表の拓也さん(54)は長い歳月を経ても問題解決に向けた動きが見えない現状に不満を抱く。「親世代が存命のうちに解決させない限り意味がない」と言い切る。
 めぐみさんが新潟市内で失踪した1977年11月、双子の弟拓也さんと哲也さんは9歳だった。北朝鮮によって拉致された疑いが浮上した97年まで手掛かりは一切なく、「生きているのか死んでいるのか分からず、家族全員が苦しい状況の中にいた」と振り返る。
 父滋さんら親世代は同年に家族会を結成し、救出を求めて国内外を巡り、署名活動や講演を重ねた。昨年12月に拓也さんが3代目代表に就任した後も、家族会としての主張は滋さんが初代代表だった頃と変わらない。家族の救出を求めるとともに、「日本政府に真剣に動いてほしい」と訴え続けている。
 この20年間で、救出を待ち続けてきた家族の高齢化が進み、滋さんは20年6月に87歳で死去。昨年12月には田口八重子さん=拉致当時(22)=の兄で家族会前代表の飯塚繁雄さんも83歳で亡くなった。
 現在、拉致被害者の親世代で存命なのは、めぐみさんの母早紀江さん(86)と有本恵子さん=同(23)=の父明弘さん(94)だけになってしまった。拓也さんは「2人が生きているうちに問題が解決しなければ全く喜べない」と強調する。
 02年10月に拉致被害者5人が帰国して以来、現在まで救出された人はいない。拓也さんはこの間の政府の対応を、「水面下の交渉内容は私たちには見えないが、何一つ前進していない」と批判する。
 家族会は「全拉致被害者の即時一括帰国」の要求を掲げ、譲歩するつもりはない。「家族には時間がない。岸田文雄首相は自らの熱い言葉で、金正恩氏に解決を迫ってほしい」と訴える。

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