東京, 7月3日, /AJMEDIA/
人類が繁栄した時代を象徴する地層を選んで、地質学的に「人新世」という新しい時代区分にしようと、世界の候補地の調査が行われていて、日本の候補地である大分県の地層で、重要な指標になるとみられるごく微量のプルトニウムを検出できたと東京大学などのグループが発表し、選定されるための大きな前進だとしています。
「人新世」は、国際的な学術団体のグループが、人類の繁栄した時代を象徴する地層を選んで、地質学的な新たな時代区分にしようと、世界12か所の候補地から1か所を選ぶことになっています。
東京大学の横山祐典教授や愛媛大学などの研究グループは、日本の候補地である大分県にある別府湾の海底の地層を調べ、人類の活動の痕跡として、核実験によって全世界に降った、ごく微量のプルトニウムを検出できたと公表しました。
分析では、核実験が繰り返された1950年代の地層で、プルトニウムの濃度が上昇し、条約などで実験が制限された後は低下しているということで、人類の活動による地球規模の影響を反映できており、選定されるための大きな前進だとしています。
東京大学の横山教授は「地球規模の気候変動が大きな課題となる中で、人新世を地質学的に決めることで、人と自然が共存するための議論を深めるきっかけにしてほしい」と話していました。