「ポスト岸田」へ存在感アピール 自民・茂木氏、認知度不足も―人事で処遇焦点

東京, 5月14日, /AJMEDIA/

自民党の茂木敏充幹事長が存在感のアピールに余念がない。少子化対策など岸田政権の政策課題で積極的に発信。先の統一地方選で勢力を伸ばした日本維新の会対策にも乗り出した。念頭にあるのは「ポスト岸田」。ただ、名乗りを上げるには役職から外れるのが筋とも言え、逆に岸田文雄首相を支え続ければ「出番」は遠のくジレンマも抱える。
自民茂木派がパーティー 「中心で政権支える」

 「平成研究会(茂木派)は引き続き安定政権を中心で支え、日本の変革をリードしたい」。茂木氏は12日の茂木派パーティーのあいさつでこう強調した。
 茂木氏は1月の代表質問で児童手当の所得制限撤廃を打ち上げ、3月には学校給食の無償化を表明した。今月8日の記者会見では、財源に基金創設を提案するなど、少子化対策の議論をけん引している。ただ、所得制限撤廃や給食無償化では、官邸や党政務調査会と入念に打ち合わせた形跡はなく、「スタンドプレー」(政府関係者)との批判も出た。
 統一選では維新が勢力を拡大した。維新が本拠地とする大阪で、自民党は壊滅的状況で、危機感を強めた茂木氏は党本部主導で大阪府連を立て直すため、「大阪自民党刷新本部」を設置。近く大阪を視察し、衆院小選挙区支部長の差し替えなども視野に再建策を検討する。
 一方、トップを目指すには課題もある。報道各社が「次の首相にふさわしい人」を尋ねた世論調査では、河野太郎デジタル相や小泉進次郎元環境相らに後れを取っており、茂木氏の認知度不足は否めない。
 岸田内閣の支持率は回復傾向にあり、今は政局的な動きを取りにくい面もある。パーティーに来賓として出席した首相は「笑顔が増えたと評判だ。政界一の切れ者に魅力的な笑顔まで加わると、非の打ちどころがなく、私もうかうかしていられない」と冗舌に語るなど余裕をうかがわせた。
 来年秋の総裁選をにらみ、党内には「茂木氏は幹事長を降りないと勝負できない。外れるべきだ」(周辺)とする声の一方、「まだ1年半。幹事長を続けて力を蓄えるべきだ」(党関係者)との意見もある。夏以降に首相が行うとの観測もある内閣改造・党役員人事での処遇が当面の焦点だ。

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