「あの日」の教訓、継承誓う 追悼行事、コロナ禍前に回復へ―阪神大震災28年

東京, 1月18日, /AJMEDIA/

 6434人が亡くなった阪神大震災は17日、発生から28年となった。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で迎えた3度目の「1.17」。過去2年にわたり縮小を迫られた追悼行事は、コロナ禍前の規模に戻りつつあり、遺族らは震災の教訓を伝え続けることを改めて誓った。
 神戸市中央区の公園「東遊園地」では、NPO法人などが追悼の集いを開催し、午後9時までに約4万8000人が訪れた。人と人を結び震災を語り継ぐとの思いを込め、「1995 むすぶ 1.17」の形に並べた竹と紙の灯籠に火をともし、発生時刻の午前5時46分に黙とうをささげた。
 同市の追悼式には、震災で長女の上野志乃さん=当時(20)=を亡くした父政志さん(75)が遺族代表として出席。「二度とこういう体験は味わいたくない。災害から学ぶ教訓を、今生きている人間で生かしていく必要がある」と涙ながらに追悼の言葉を述べた。
 兵庫県などは、神戸市内の慰霊碑前で式典を開催し、正午に黙とうをささげた。斎藤元彦知事は「震災を経験していない方々が増え、風化が懸念されている。震災を忘れない、伝える、生かす、備える。不断の努力を積み重ねていかねばならない」とあいさつした。
 神戸市立なぎさ小学校6年の福元理央さん(12)は「多くの方々が神戸の復興に向けて頑張られたからこそ、私たちは生まれた時から当たり前に普通の生活ができていると思う。震災を忘れることがないよう、私たちの世代が次の世代に伝えていく」とメッセージを読み上げた。
 県などが主催する復興した神戸市内の街並みを巡る「メモリアルウォーク」も3年ぶりに実施された。防災意識を高めるため、がれきなどを模した障害物を乗り越えながら歩く「防災ウォーク」も行った。県内各地では、追悼行事や避難訓練が開かれた。

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