東京, 10月12日, /AJMEDIA/
東南アジア諸国連合(ASEAN)各国に、日米中なども加わって開催された一連の首脳会議が閉幕した。ASEANは加盟国間の「一体性」を理念として掲げるが、地域への影響力を強める中国への対応には各国で温度差があるのが実情で、結束にほころびが生じている。
シンガポールのシンクタンク「ISEASユソフ・イサーク研究所」は4月、ASEAN加盟10カ国の有識者らを対象とした調査を公表。「影響力が最も大きい国・地域機関」で「中国」と答えた割合が経済では59%、政治では43%でともに最多となった。
ラオスは中国の支援で高速鉄道が整備されるなど、中国依存が強まっている。カンボジアは中国の投資や援助で経済発展を成し遂げ、軍事協力も進む。中国やロシアなどで構成される新興国グループ「BRICS」には、マレーシアが加盟を申請中だ。
一方、インドネシアは欧米中心の経済協力開発機構(OECD)への参加意向を表明し、タイはBRICSとOECD双方に加盟を申し出た。
中国との対立が鮮明なのは南シナ海の領有権を争うフィリピンで、米国や日本との連携を深める。同様に領有権問題を抱えるベトナムは、中国との友好関係を維持しつつ米国との関係も強化している。
タイの国際政治の専門家パニタン氏は「加盟国間での意見の相違が増えるほど、ASEANの有効性は低下する」と指摘。議長国を務めたラオスのソンサイ首相は11日の会見で「ASEANは団結を強化することが重要だ」と強調した。