東京, 1月27日, /AJMEDIA/
建て替えのためにおととし10月に閉場したものの、再開の見通しが立たない状態が続く東京の国立劇場で、ふだんは見ることができない舞台裏を見学するツアーが開かれました。
この催しは東京の国立劇場を運営する日本芸術文化振興会が、閉場中の劇場を有効活用しようと旅行会社のHISと連携し、企画したもので、外国人を含む45人が参加しました。
参加者は舞台の安全を祈る楽屋口の神棚や広々とした楽屋などを見学したあと、歌舞伎で実際に使われている衣装の試着や歌舞伎の音響の体験に臨みました。
このうち、音響の体験では担当のスタッフが竹笛や貝殻を使って鳥やカエルの鳴き声を実演し、さまざまな道具で雨や波など自然の音を出すと説明すると、参加者は感心した様子で実際に体験していました。
トルコから仕事で日本に滞在している30代の女性は「どの体験も楽しく、特に歌舞伎の上演中に裏では、録音でなく実際に音を出していると知りとても驚きました」と話していました。
国立劇場は建て替えのためおととし10月で閉場しましたが建設費の高騰などを背景に入札の不調が続き、再開の見通しが立たなくなっています。
日本芸術文化振興会では、この春にも外国人の客などを見込んだイベントを企画するなど今後も閉場中の国立劇場を活用したいということです。