東京, 2月17日, /AJMEDIA/
多くの銀河が集まる「銀河団」の中心部にある高温ガスの流れを詳しく観測することに、JAXA=宇宙航空研究開発機構などの国際研究グループが成功しました。研究グループは、銀河団が衝突や合体を経て膨張していく過程を示す証拠で、さまざまな天体の進化を理解する上で重要な手がかりとなるとしています。
JAXAなどの国際研究グループは、おととし打ち上げられた天文観測衛星「XRISM」で、地球からおよそ1億光年離れた「ケンタウルス座銀河団」を観測しました。
研究グループによりますと、高い精度でX線を検出する装置を使い、銀河団の中心部にある高温ガスの流れを詳しく解析した結果、秒速130キロから310キロの速度で地球の方向に動いていることがわかり、こうしたガスの流れは、銀河団どうしの衝突や合体によるものと考えられるということです。
研究グループは銀河団が衝突や合体を経て膨張していく過程を示す証拠で、さまざまな天体の進化を理解する上で重要な手がかりとなるとしています。
研究グループの1人で、東京都立大学の藤田裕教授は「これまでコンピューターによるシミュレーションを用いて考えていた現象が、実際に起きているのか、人工衛星を使って観測できるようになった。今後さらにどのような結果が出てくるのか非常に楽しみだ」と話していました。