東京, 9月9日 /AJMEDIA/
次世代のコンピューターとして期待されている量子コンピューターについて、大阪大学と富士通は、実用化につながる新たな計算方式を考案したと発表しました。
この方式を用いればこれまで考えられていたより小さな計算機で従来のスーパーコンピューターを上回る計算ができる可能性があるということで、実用化を早める成果として注目されます。
実用化へ向けた研究開発が進む量子コンピューターは、桁違いに高い計算能力を持つとされていますが、性能を高めるには頭脳にあたる「量子ビット」を大規模化する必要があり、開発の課題となっています。
大阪大学と富士通のチームは、新たに考案した計算方式を用いることで「量子ビット」を従来ほど大規模化しなくてもスーパーコンピューターを上回る実用的な計算ができる可能性があると発表しました。
具体的には従来の方式で考えられていた100万量子ビットより1桁以上小さい6万量子ビットまで小型化できるとしていて、これを「超伝導体」と呼ばれる材料の解析に当てはめたところ、スーパーコンピューターがおよそ5年かかる計算をわずか10時間ほどで行えると見積もられたということです。
富士通量子研究所の佐藤信太郎所長は「量子コンピューターの実用化を早めることに貢献できる成果だ」と話しています。