東京, 11月30日, /AJMEDIA/
埼玉県桶川市で1999年10月、大学生猪野詩織さん=当時(21)=がストーカー被害の末に殺害された事件から25年となったことを受け、詩織さんの両親らが出席したシンポジウムが30日、東京都文京区の会場で開かれた。父憲一さん(74)は「被害者の小さな悩みも確実に聞いてあげてほしい。少しの勇気を振り絞り、被害者を助けてください」と呼び掛けた。
シンポには、事件を取材したフリージャーナリストの清水潔氏も登壇し、当時の過熱したマスコミ報道や事件報道の在り方について語った。これに関連し、母京子さん(74)は「『上から目線だ』と被害者が思ってしまったら駄目。『書いてあげているんだ』ではなく、被害者に対しての心遣いを忘れないで」と話した。
主催したのは、詩織さんの母校、跡見学園女子大学で非常勤講師を務めるフリージャーナリストの室田康子氏ら約10人でつくる「桶川事件を学ぶ会」。同会は2022年2月から同大で両親による講義を実施しているほか、2カ月に1度オンラインで両親と話し合うなど、事件を風化させない取り組みを続けている。