東京, 10月9日, /AJMEDIA/
衆院は第214臨時国会会期末の9日に解散され、与野党は事実上の選挙戦に突入した。政府は臨時閣議で、第50回衆院選を「15日公示、27日投開票」の日程で行うことを決定。自民党派閥の裏金事件後では初の総選挙で、政治の信頼回復への取り組みが最大の争点となる。1日に就任したばかりの石破茂首相(同党総裁)が今後も政権を担うのか、国民の審判を受ける。
首相は9日夜、首相官邸で記者会見し、「国民の納得、共感なくして政治を前に進められない」と強調。今回の解散を「日本創生解散」と位置付け、「日本社会を根本から変えていくため、信任を賜りたい」と支持を求めた。
勝敗ラインについては「自民、公明両党で過半数を目指したい」と表明。裏金事件にも触れ、「所属議員が有権者と真摯(しんし)に向き合わなければ信頼は取り戻せない」と語った。
立憲民主党の野田佳彦代表は記者団に「裏金の問題はまだ決着がついていない。政権交代こそ最大の政治改革だ」と指摘。党両院議員総会で「自民を今度こそやっつけなければならない。勝利を誓い合おう」と結束を呼び掛けた。
立民など野党4党は、衆院に内閣不信任決議案を提出したが、解散に伴い廃案となった。9日は解散当日としては異例の党首討論も行われた。
選挙戦で、自民は世論の不信払拭のため、政治改革に全力を挙げると主張。経済再生や地方創生の取り組みをアピールする。立民は、首相が自民総裁選で言及した解散前の十分な議論に応じなかったことなどを「変節」と批判。最低賃金1500円以上など「分厚い中間層の復活」を訴える。
衆院選は2021年10月以来で3年ぶり。内閣発足から8日後の解散、26日後の投開票はいずれも戦後最短だ。首相は党への厳しい逆風を踏まえ、新政権の「刷新感」を重視して短期決戦を選択した。9月に就任した野田代表、公明党の石井啓一代表も初陣となる。
衆院選は465議席(小選挙区289、比例代表176)を争う。解散時議席は与党が自民256、公明32の計288。野党は立民98、日本維新の会40、共産10、国民民主7など。小選挙区の「10増10減」に伴う新たな区割りで初めて実施される。