習氏、領土主権で強硬姿勢 中国船の装備増強、緊張続く―尖閣国有化10年

東京, 9月11日, /AJMEDIA/

日本政府が沖縄県の尖閣諸島を国有化して11日で10年。尖閣の領有権を主張する中国は、周辺で船の航行を常態化させ、日本の実効支配を崩そうとする動きを継続している。10月の中国共産党大会で3期目入りが確実視される習近平国家主席(党総書記)は強国実現を目標に掲げ、海洋権益の拡張を目指しており、今後も強硬姿勢で臨むとみられる。
 「国有化は茶番だ。日本は行動を抑制し、中国の主権や領土保全を損なう行動をやめるべきだ」。尖閣国有化直後の2012年9月19日、国家副主席だった習氏は、訪中した米国防長官との会談で日本政府を非難した。
 当時は中国各地で反日デモの嵐が吹き荒れ、日中関係は「1972年の国交正常化以来、最悪」と言われる事態に陥った。その後、首脳間で歩み寄り、不測の事態を回避することで合意したが、尖閣周辺での中国船の活動は常態化した。ここ数年の接続水域航行日数は年間300日前後と毎日に近い状態で、領海侵入も約30~40日発生している。
 この背景には、海上法執行機関である中国海警局の強化がある。13年に複数の機関に置かれていた海洋関連部署を統合し、国務院(中央政府)に海警局を設置した。18年には海警局を軍の最高指導機関である中央軍事委の指揮下にある人民武装警察部隊(武警)に編入。21年には武器使用について明記した海警法を施行した。法的に「軍隊の機能」が明確に否定されている日本の海上保安庁と、海警局は大きく異なる。
 装備も大幅に強化され、海警局は「第2海軍」と呼ばれるようになっている。21年末時点の満載排水量1000トン以上の大型船は132隻で、米国防総省は「世界最大の沿岸警備隊」と見なしている。日本の防衛白書によれば、海警局は同1万トン級の巡視船2隻を保有している可能性があり、海軍艦艇と同水準の能力の機関砲とみられる武器を搭載した船も確認されている。海警局は、軍との合同訓練を実施し、中国が領有権を主張する南シナ海でも活動し、周辺国にとって大きな脅威となっている。
 16年8月には、200隻超の漁船が尖閣周辺に押し寄せ、中国公船も領海に侵入したことから、日本側は海保を中心に警戒態勢を続けている。ただ、最近の中国側の対応は、軍事的圧力を強める台湾問題に比べれば抑制的だ。今年夏、沿岸に位置する福建省や浙江省の地元当局は、尖閣周辺を含む東シナ海で8月に禁漁期間が明けるのに際し、「敏感な海域」での操業を禁止する通知を出した。
 中国の国際問題専門家は「対米で緊張が続く中、尖閣をめぐり積極的に問題を起こす事態は避けたいだろう」と指摘する。一方で、習政権が海洋戦略を強化しているのも事実だとして、「戦わずして勝つのが最良の勝ち方だ。主導権は中国にある」と語り、緊張が緩和する可能性は低いとの見方を示した。
 
 ◇中国海警局をめぐる動き
2012年11月 第18回共産党大会。習近平氏、党総書記に就任
  13年 7月 中国海警局が発足
  16年 8月 中国漁船200隻超が尖閣沖で操業
  18年 7月 海警局を中央軍事委員会の指揮下に編入
  21年 2月 海警法施行
  22年 9月 日本の尖閣国有化10年
     10月 第20回党大会。習氏3期目入りの見込み。

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