東京, 9月6日 /AJMEDIA/
ロシアのプーチン大統領は、極東ウラジオストクで開かれている第9回東方経済フォーラムに出席した。招待したマレーシアのアンワル首相、中国の韓正国家副主席とは4日の個別会談に続き、5日の全体会合でも同席。ウクライナ侵攻で対ロ制裁を発動する日米欧を「非友好国」と位置付ける中、中立的な「友好国」との関係強化をアピールした。
ロシアは今年の新興国グループ「BRICS」議長国として、10月下旬に中部カザンで首脳会議を予定。メンバー国以外も積極的に招待し、西側諸国の影響を排除した「ロシア主導のサミット」を目指すとみられ、今回のフォーラムをその地ならしとした形だ。
5日の演説でプーチン氏は「発展のベクトルは(西側でなく)東方とグローバルサウス(新興・途上国)に向いている」と強調した。
プーチン氏は戦争犯罪の疑いで国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状を出され、外遊に制約がある。11月中旬にリオデジャネイロで20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を開くブラジルはICC加盟国。プーチン氏は先に、ICC加盟国ながら拘束の恐れがない友好国モンゴルを訪れたが、ペスコフ大統領報道官は「まだ(ブラジル行きは)決まっていない」と述べた。
米国に対抗して影響力を発揮できる場としてプーチン氏はG20を重視してきたが、ウクライナ侵攻を非難されかねないことから過去2度のサミットを欠席。一方、中ロ主導の上海協力機構(SCO)やBRICSの枠組みを拡大させて「世界の多数派」(ペスコフ氏)と呼び、G20から軸足を移して孤立回避に躍起となっている。
プーチン氏は経済フォーラムなど一連の外交を通じ、モンゴルのフレルスフ大統領、アンワル氏、中国の習近平国家主席がBRICS首脳会議に参加する約束を取り付けた。ペスコフ氏は「(逮捕状が)ロシアとパートナー国の関係発展を妨げることはない」と主張した。