東京, 11月14日, /AJMEDIA/
過去に税金を滞納していた神田財務副大臣が13日更迭され、今の国会で3人の政務三役が相次いで交代する事態となりました。
政府・与党は経済対策などに専念し国民の信頼回復に努めたいとしているのに対し、野党側は岸田総理大臣の任命責任を追及し、攻勢を強める構えです。
税理士資格を持つ神田財務副大臣は、自身が代表取締役を務める会社の土地や建物が税金の滞納により4度差し押さえを受けたことを先週、国会で明らかにし、陳謝しましたが、野党側から辞任を求める声が相次ぎ、13日、更迭されました。
後任には、自民党の赤澤亮正・元内閣府副大臣が起用されました。
岸田総理大臣は「任命責任については重く受け止めている。政治は結果責任だ。国民におわびを申し上げなければならないと思っている」と陳謝しました。
与党内からは「先週のうちに更迭しておくべきだった」などと政府の対応の遅れを指摘する声が出ています。
また、今の国会が召集されて以降、1か月足らずで3人の政務三役が相次いで交代する事態となり、与党内では、政権運営への影響は避けられないという懸念が広がっています。
政府・与党は、経済対策などに専念し国民の信頼回復に努めたいとしています。
一方、立憲民主党の泉代表は「辞任は当然だが遅すぎる。不注意では済まされず、議員も辞職すべきだ。相次ぐ政務三役の辞任は異常事態だ」と述べ、批判しました。
野党側は引き続き岸田総理大臣の任命責任を追及し、攻勢を強める構えです。
自民 森山総務会長「極めて異常な状態 大変申し訳ない」
自民党の森山総務会長は記者会見で「政務三役が3人続けて辞任するという極めて異常な状態になっている。遺憾であり、国民の皆様に大変申し訳ない。一日も早く信頼回復に努めることが今は大事だ」と述べました。
自民 梶山幹事長代行「早めに決着すべきだった」
自民党の梶山幹事長代行は記者会見で、神田財務副大臣の更迭について「本人の意向も重視しながらやり取りをしたと思うが、早めに決着すべきだった」と指摘しました。
そして「内閣改造後、臨時国会早々に政務三役の3人が辞任したことは極めて遺憾だ。公職につく者はしっかりと襟を正して行動を律し、緊張感を持って職務に臨むことが重要だ」と述べました。
国民 玉木代表「気を引き締めて政権運営を」
国民民主党の玉木代表は、記者会見で「税務行政に携わる者は、より高度な倫理性や規範が求められる。辞任は当然で、判断が遅いと言わざるをえない。4人目、5人目の辞任が出てこないように、気を引き締めて政権運営にあたってもらいたい」と述べました。
そのうえで、内閣支持率が低下していることについて「自民党政権を支える岩盤支持層が溶けている。岸田総理大臣も、一国のトップになったからにはやりたいことを持っていると思うが、国民に届いていない。何をしてもマイナスになっていく状況に陥りつつあるので、自分の思いを整理して、国民に語りかけてもらいたい」と述べました。