知られざる“親日エネルギー大国”アゼルバイジャン

東京, 10月11日, /AJMEDIA/

日本では「知る人ぞ知る」と言っても過言ではない「アゼルバイジャン」です。

 カスピ海に面しており、20世紀初頭以来、原油の生産量では世界の半分以上を占めていました。

 旧ソ連邦の構成国でしたが、今は独立し、ロシアともアメリカとも友好関係を維持しています。

 それ以外にも、トルコとは兄弟国であり、イランやイスラエルとも緊密な間柄です。

 しかも、日本とは独立直後の1992年9月7日に国交を樹立。

 というわけで、2022年は日本とアゼルバイジャンの国交樹立30周年にあたります。

 多くの日本人は知らないようですが、両国の関係は想像以上に緊密な展開を続けてきているのです。

 何しろ、アゼルバイジャンはコーカサス地方の“エネルギーハブ”と呼ばれています。

 というのも、石油、天然ガス、農業、グリーン・エネルギー(風力、太陽光、水力、地熱、バイオ等)開発の分野で大きな存在感を示しているからです。

 そもそも、こうしたアゼルバイジャンのエネルギー源に注目し、最初にエネルギー分野に投資したのは日本でした。

 それ以外にも、観光、インフォメーション、ロジスティックス産業の可能性を秘めており、アメリカも中国も関係の強化、発展を試みています。

 実は、そうした豊かな資源をめぐり、隣国のアルメニアとの間で対立や戦争を繰り返してきました。

 そのため、国境周辺には地雷が埋設されており、危険地帯となっています。

 そこでも活躍しているのは日本で、地雷除去(アルメニア占領地区を中心に)での協力を積極的に展開してきました。

 そうした経緯もあり、アゼルバイジャンには親日家が多いわけです。

 その代表選手が駐日アゼルバイジャン大使のギュルセル・イスマイルザーデ氏です。

 日本への留学経験を通じて、日本語にも日本の文化にも精通しています。

 アゼルバイジャンのアリエフ大統領からは、国交樹立30周年を祝うために岸田総理や日本国民へのメッセージも送られてきました。

 同大統領の父親は、旧ソ連邦内では初となるエアコン工場をバクーに建設した日本企業を誘致した立役者です。

 アゼルバイジャンでも日本でも現在、経済、文化交流事業が展開されています。

 アゼルバイジャンの首都バクーではジャズフェスティバルや日本のお茶会、折り紙、生け花、着物、書道展なども開催され、多くの参加者で盛り上がっているようです。

 とはいえ、当面、気になるのはアゼルバイジャンとアルメニアの対立で、2020年の戦争はロシアの仲介で停戦合意がなされていたのですが、去る9月13日に再燃してしまいました。

 「ナゴルノ・カラバフ」地区をめぐる領土、民族紛争は根が深く、今回も双方の軍隊に多くの死傷者が出ているようです。

 国際社会も事態の推移に関心を寄せています。

 たとえば、プーチン大統領ですが、9月半ばに開催された「上海協力機構」首脳会議の折に、ウズベキスタンの古都サマルカンドでアゼルバイジャンのアリエフ大統領と会談しました。そして、「情勢悪化を非常に懸念する」と伝えたうえで、「仲介の用意と力あり」と発言。

 そのおかげもあってか、現時点では停戦が成立していますが、ロシアの平和維持部隊(2,000人)がウクライナへ転出したとの報道もあり、重しがなくなっていることが懸念されます。

 というのも、9月18日、同じく旧ソ連構成国のキルギスとタジクでも国境地帯で交戦が起こっているからです。

 要は、ウクライナ戦争の影響で、ロシアの行動は大きく制約を受けており、かつてのような影響力の行使ができなくなっていることが歴然としています。

 このままでは、地域の不安定化が一層拡大し、戦火が拡大しかねません。

 アルメニアのパシニャン首相はフランスのマクロン大統領やアメリカのブリンケン国務長官と電話会談し、アゼルバイジャンとの戦いを有利に進めようとしています。

 そのためもあってか、アメリカのペロシ下院議長は9月17日、アルメニアを電撃訪問し、アゼルバイジャンを一方的に非難しました。

 当然、アゼルバイジャン政府は猛反発しています。

 先の台湾訪問と同じで、ペロシ下院議長は対立する国や地域に一方的に肩入れし、対立を激化させている側面が否定できません。

 これこそ、アメリカは紛争当事国の対立を煽ることで双方を押しつぶすことを狙っているのかも知れません。

 なぜなら、ロシアが軍事基地を置くアルメニアを支援する姿勢を見せながら、エネルギー源をもつアゼルバイジャンとも経済関係を強化しようとしているのがアメリカですから1。

 結果的にロシアの崩壊を招くような工作も加速させているようです。

 日本とすれば、長年にわたって友好関係を築いてきたアゼルバイジャンへの支援体制を強化する絶好のチャンス到来と受け止めるべきと思われます。

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