東京, 11月1日, /AJMEDIA/
北朝鮮の朝鮮中央通信は1日、ミサイル総局が10月31日に新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星19」の試射を初めて行い、成功したと伝えた。固体燃料式とみられ、北朝鮮は既存の「火星18」と共に運用するICBMの「最終完結版」と位置付けた。
試射に立ち会った金正恩朝鮮労働党総書記は「われわれの覇権的地位が不可逆であると、世界に示すことになった」と述べ、「大満足」を表明したという。
正恩氏は、発射は「意図的に地域情勢を激化させ、共和国(北朝鮮)の安全を脅かしてきた敵に、われわれの意志を示す適切な軍事活動だ」と主張。安全保障面の連携を強める米韓への対抗姿勢を鮮明にした格好だ。
朝鮮中央通信によれば、ミサイルは約1000キロを約86分かけて飛行し、最高高度は7687.5キロ。高角度の「ロフテッド軌道」で発射されたが、通常角度であれば飛行距離は1万5000キロを超え米本土全てを射程に収めると推計される。同通信は「戦略ミサイル能力の記録を更新した」と誇った。
同通信が配信した写真からは、ミサイルが固体燃料式の特徴であるスカート状の炎を噴射しながら上昇する様子が確認できる。固体燃料式は、燃料注入に時間がかかる液体式に比べ、迅速な「奇襲発射」が可能だ。北朝鮮は2021年の党大会で決めた「国防力発展の5カ年計画」で固体燃料式のICBM開発を目標に掲げていた。
「火星19」は、23年に3度発射した固体燃料式の「火星18」に比べ、弾頭部が丸みを帯びていることも特徴。韓国政府系シンクタンク、統一研究院の洪※(※王ヘンに民)先任研究委員は「(複数の弾頭を積む)多弾頭化を念頭に置いている」と分析。「発射訓練」として「火星19」の追加発射を行う可能性があるとした。