生活基盤「変容」も対象 原発事故、賠償拡大へ―基準見直しで素案・政府審査会

東京, 12月13日, /AJMEDIA/

 東京電力福島第1原発事故をめぐり、文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会(会長・内田貴東大名誉教授)は12日、国の賠償基準である「中間指針」について見直しの素案を示した。新たに「生活基盤の変容による精神的損害」や「過酷避難状況による精神的損害」など5項目を賠償対象に加え、避難者らへの賠償を拡大する。
 指針は2011年8月に策定されており、見直しは13年12月以来。今月20日の次回会合で5項目に関する賠償の目安額を定めた上で最終決定する。
 現行指針では避難による精神的損害として、1人月額10万円の慰謝料を目安にしている。また、帰還困難区域の住民には生活基盤を「喪失」した精神的損害として、1人当たり700万円の慰謝料を支払っていた。
 見直し案では、新たに居住制限区域と避難指示解除準備区域の住民を対象に、生活基盤が原発事故前から「変容」してしまったことによる精神的損害を認める。賠償額は300万円程度となる見通し。
 月額の慰謝料では、着の身着のままの避難を強いられた「過酷避難状況による精神的損害」を加算。計画的避難区域と特定避難勧奨地点の住民については、「相当量の放射線量地域に一定期間滞在したことによる健康不安」も慰謝料増額の対象に加える。年間放射線量が避難指示を出す基準(20ミリシーベルト)に達する恐れがありながら、指示が1カ月以上遅れたことに対応する。
 また、「精神的損害の増額要因」として要介護や妊娠中、乳幼児の世話をしていたことなどを認め、慰謝料を上乗せ。このほか、「自主的な避難に伴う精神的損害」に関し、妊婦や子ども以外も放射線被ばくや事故の一層の深刻化への複合的な恐怖があったとして慰謝料を増額する。
 最高裁で今年3月、中間指針を上回る賠償を東電に命じる7件の二審判決が確定したことを受け、審査会が見直しの検討を進めていた。

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