生活保護減額、控訴審判断は 14日、初の高裁判決―国家賠償にも注目・大阪

東京, 4月13日, /AJMEDIA/

国が2013~15年に生活保護基準額を引き下げたのは生存権を保障する憲法に違反するとして、各地の受給者が減額処分の取り消しなどを求めた訴訟で、初めての控訴審判決が14日、大阪高裁で言い渡される。
 一連の訴訟では、今回の一審だった大阪地裁が21年2月、厚生労働相による裁量権の逸脱を認め、初めて処分を取り消した。これまでに大阪を含めて計9地裁で同様の判断が相次いでいる。14日は、これまで認められていない国の賠償責任が認められるかも注目される。
 原告は大阪府内の受給者ら約40人。処分取り消しのほか、1人1万円の損害賠償を求めている。地裁判決は「減額処分の取り消しで精神的損害は回復される」として、賠償請求を退けた。
 控訴審で原告側は、訴訟で勝って減額分を後から支給されても「償われない損害がある」と強調。給付額が減ると受給者の健康状態が悪化し、入院医療費の増加につながったとする研究結果を発表した大学教授の証人尋問を行った。
 本人尋問で原告らは、日々の健康不安に加え、わずか数百~数千円の交通費や交際費を工面できず、家族や友人と疎遠になったと明かし、「失われた時間は決して戻らない」と吐露。代理人弁護士は最終弁論で「原告一人一人の毎日を、具体的に想像してほしい」と裁判官に訴えた。
 国側は、引き下げ自体は違法ではないと改めて主張。デフレによる物価下落により生活保護受給世帯の可処分所得は相対的に増えたとし、「一般国民との不均衡を是正する必要がある」としている。

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