東京, 9月1日 /AJMEDIA/
日本飛び込み界初の五輪表彰台に立ってから3週間余り。駆け付けた家族だけでなく、スタンドを埋めた観客の多さに玉井の心が震えた。歴史的な銀メダルを手にした直後だからこそ、「優勝は大前提」。大きな期待に内容で応えたかった。
安定したダイブが光り、4回目にジャッジの1人が10点満点をつける好演技。飛ぶ前に自身の優勝が確定した最終6回目には得意のひねり技を鮮やかに決めて97.20点の高得点で締めた。昨年は世界選手権で悪化させた腰痛のために出場できず、不本意な形で5連覇を逃した悔しさもぶつけた。
今大会も本調子ではなかった。数日前の練習で左足をひねって軽い捻挫をした。パリ五輪から帰国後、休む間もなく8月の高校総体にも出場。苦しい状況でも質の高い演技を保ったことを、馬淵崇英コーチは「トップ選手としての意識が高まっている」と褒める。
この日の会場は、馬淵コーチが監督を務める「滋賀・立命館ダイビングクラブ」の拠点となる。高校3年の玉井は立命大への進学を検討している。次回の五輪に向け、新天地で一歩を踏み出した。