無償化獲得も内外に不安 維新、参院選への波及警戒

東京, 3月2日, /AJMEDIA/

 日本維新の会は1日の党大会で、夏の参院選で与党を過半数割れに追い込む目標を掲げた2025年の活動方針を決めた。25年度予算案の修正で看板政策である高校授業料無償化に道筋をつけたが、地方議員の不祥事が発覚し国民民主党との対立も激化。参院選での躍進を目指すが、党内外に不安要素を抱える。

 「やるべきことは公約で掲げたことを実行することだ」。吉村洋文代表(大阪府知事)は党大会でこう強調。少数与党の石破政権に政策実現を迫り続ける姿勢を訴えた。

 吉村氏は2月25日、自民、公明両党の党首と無償化を盛り込んだ合意文書に署名。維新幹部は「国政政党を立ち上げた時の公約がここまで進んだ」と感慨を口にする。

 ただ、参院選に向けて懸念材料は山積みだ。改選数1の「1人区」で野党候補一本化を目指し、他党に提案した予備選は実現が見通せず、国民民主は難色を示す。

 自公は「年収103万円の壁」見直しに関する国民民主との協議決裂を受け、維新に税制改正関連法案修正案への協力を求める。維新、国民民主両党は予算案修正を巡り幹部同士が舌戦を展開したばかりで、維新が賛成すれば一層の関係悪化を招く可能性がある。維新関係者は「無党派層を奪い合う国民民主から非難の的にされる」と参院選や東京都議選への影響を危惧する。

 予算案の修正過程では、党内の溝も露呈した。自公との合意文書案を諮った2月25日の両院議員総会で、前原誠司共同代表らの交渉姿勢に不満が噴出。現執行部と馬場伸幸前代表に近い議員との距離は広がっている。前原氏は党大会で、水面下で与党との折衝に当たった遠藤敬・前国対委員長に謝意を示した。

 維新の兵庫県議が斎藤元彦知事のパワハラ疑惑を調べる県議会調査特別委員会(百条委員会)に関する情報を外部に提供した問題についても、執行部は危機感を募らす。維新は23年の統一地方選で躍進したが、所属議員の不祥事が相次ぎ勢いをそがれ、昨秋の衆院選では議席を減らした。

 衆院選敗北からの党立て直しを懸ける参院選をにらみ、吉村、前原両氏は難しいかじ取りを迫られそうだ。

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