漫画家 楳図かずおさん 代表作の未発表シーンの下絵見つかる

東京, 3月24日, /AJMEDIA/

去年10月、88歳で亡くなった漫画家の楳図かずおさんの代表作の1つ「わたしは真悟」の未発表のシーンの下絵が見つかり、楳図さんの作品へのこだわりがうかがえる貴重な発見として注目されます。

見つかったのは、楳図かずおさんが1982年に連載を始め、工業用ロボットが少年と少女と過ごす中で自我を持ち、やがて事件を起こすという内容のSF漫画「わたしは真悟」の下絵12枚です。

出版社によるといずれも本編には採用されず、雑誌や単行本に掲載されていない未発表のシーンのものだということです。

このうち、少年と少女が東京タワーを登る場面の下絵は1ページ全体にわたって描かれ、鉛筆画ながらも迫力が感じられます。

また、少女が監禁されて脅迫を受ける場面の下絵は、このとき本編では登場しなかったキャラクターが描かれていて、別の設定も構想されていたことがうかがえます。

出版社によりますと、これらの下絵はことし1月、楳図さんの作品を管理する財団が原画の整理中に見つけたということです。

「わたしは真悟」は、ヨーロッパ最大規模の国際漫画祭で「永久に残すべき作品」として「遺産賞」を受賞するなど、楳図さんの代表作の1つとして知られ、24日に発売の漫画雑誌にも追悼特集が組まれるということです。

「週刊ビッグコミックスピリッツ」編集部の高橋元さんは「ほとんど完成した原稿もありますが、結果的に採用されなかったということで、作品への強いこだわりを感じました。すでにAIのようなものが描かれるなど先見性も感じますし、作品を改めて読んで楳図さんの真骨頂でもあるSFのすごさのようなものをぜひ感じてほしいです」と話していました。

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